はじめに
様々な就活の情報ブログでは,就職や転職が目的となっていて,そのためにどのような技術を身につけるべきかや面接の上辺だけのテクニックしか書いていない.さらにそれに紐づくようにして転職エージェントやプログラミングスクールへの誘導記事が蔓延していて有用な記事が少ない.
真に就職後の幸福度を上げるためには,自分と向き合い適切なエンジニアとしての軸を決定するべきである.
この記事は,私が21卒として挑んだエンジニア就活の実体験を踏まえながら,新卒採用または中途採用でエンジニアを目指す人に向けて,就活の軸の決め方や考え方を共有していくものである.
21年新卒としてweb系ベンチャー企業および大手企業への就職活動を行っていた.進路に迷いに迷った末,ソニーのソフトウェアエンジニアとして新卒で入社予定.
エンジニア就活の軸の決め方
幸か不幸かエンジニア就活は近年選択肢を増しており,Webエンジニア・組み込みエンジニア・システムエンジニア・デザイナーなど一口でエンジニアと言っても多種多様である.フリーランスなど働き方に関しても自由度が増してきた.
そんな中私が考える就活軸の決め方はただ一つ,「技術自体が好きかどうか」である.
これに当てはまる人は,好きなプログラミング言語がありOSS活動をしている人や,モダンな技術を常にキャッチアップしていたい人である.ここではこのような人を「技術志向型エンジニア」と呼ぶ.一方,技術をかけ合わせて新規サービスや製品を生み出したいまたはそれらを使って世の役に立ちたいという人を「サービス志向エンジニア」と呼ぶ.
実体験を踏まえると,「技術志向型エンジニア」はメガベンチャー企業(中堅web系企業含む)でよく即戦力として採用され,「サービス志向エンジニア」はスタートアップ企業やメーカー含めた大手企業でよく採用されているように思える.
理由としては,メガベンチャー企業はある程度事業の方向性が決まっていて,そこにアクセル全開で踏み込むことができる人材を探していることが多く,できるだけ即戦力になる人材を欲しているからだ.そんな企業が例えば「web技術とIoT技術を組み合わせて,イノベーティブなことがしたい人」など欲しているわけがなく,そんな余裕もない.
・好きな言語,関数はある?
・OSSにコミットした経験は?
一方スタートアップ企業でいうと,中心事業が定まっていなかったり,新規サービスを立ち上げる使命があるので,技術よりもサービス志向で考えられる人が求められていたり,大手企業だと技術的な即戦力は求めておらず,チームワークや協調性の方が求められている.
・人間性,コミュニケーション力
あなたが共感できるのはどちらなのか,それが判断できると目指すべき企業も自ずと見えてくるはずだ.
技術自体が好きかどうかわからない人
ところが,自分が「技術自体が好き」なのか判断が難しい人もいるのではないだろうか.私はこれまでにいろんな技術をつまみ食いして,技術領域を広く構えていた自負があり,技術自体も好きだと考えていた.しかし,実際はプログラミング言語について熱く語れないし,OSSにコミットしたいなどの欲求も無かった.それに気づくきっかけを与えてくれたくれたのが各社のインターンシップである.
インターンで周りの学生や社風を感じ取って,何か違和感を感じたら,間違いなくその会社は避けるべきだろう.私自身,過去にweb系のメガベンチャー企業(緑色)のインターンに参加した経験がある.グループワークのメンバーはとても優秀で技術志向の強い人達であった.そのうちの1人はインターンの合間に,競技プログラミングの問題をニコニコしながら解いていて,それほどまでに技術が好きなようであった.私にとって彼らの行動は狂気の沙汰で,激しい違和感を覚えた.
結局私はそのインターンを途中で離脱してしまった.かなり挫折感を味わったが,インターンは職場の雰囲気や同期の雰囲気を肌で感じることができ,自分のエンジニアとしての志向性に気づきを得ることができるので就活においてとても重要である.
参考としてソニーのインターンについて体験談をこちらの記事にまとめています(大企業の例).
企業が求める人物像
企業に自分を合わせていくのはとてもストレスフルなことである.多くの企業が「自分から動けるエンジニアがほしい」と当たり障りの無いことを言いがちだが,無視したほうが良い.
企業側(価値観や社風など)が自分とマッチしなければ,「自分から動ける」人材にならない.良い意味で自己中心的に就活を行い,自らのエンジニアとしての志向性を軸に就職活動をされることをお薦めしたい.
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