語学学習者が乗り越えられない3つの障壁

はじめに

語学がいつまで経っても習得できない,意気揚々と勉強を始めたと思ったら三日坊主.そんなことが往々にして起こりうる語学学習.何の価値もないアフィリエイト教材,英会話教室や聞くだけで外国語が習得できるはずのないオンライン教材に手を出してしまいがちである.

私は外国語学習には3つの壁があると考えている.それは心技体の壁である.もし習得したい外国語において,この3つの壁を継続的に乗り越えることができればその外国語をマスターできるだろうが,そう簡単ではなく多くの人が挫折していく.

本記事では,語学学習者にとってなぜそのような障壁が存在するのか,またそれらの壁とどう向き合っていくか科学的観点を踏まえて述べていく.

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自己紹介

現東京工業大学大学院の学生(TOEIC795).理系でシステム制御専攻ということもあり,物事を体系的に捉えるのを好み,コスト対効果の高い体系的な勉強法を模索し実践している.TOEICなどの資格試験が嫌い.コロナ禍を利用して第二外国語の中国語を真面目に勉強し,日常会話可能なレベルとなった.現在も勉強中.

心技体の壁

先程も述べたように語学学習は必ず心技体の壁に直面する.そしてそれは壁というより階段に近く,継続的に乗り越えていく必要があり,戦線離脱を強いられる人々が後を絶たない.心技体のがモチベーションおよびメンタルコントロールの壁,が読み書き聞き取り,文法および語彙習得の壁,そしてが五感を使った実践的な語学コミュニケーションの壁である.

それでは,具体的にそれぞれの壁を乗り切るためにどのようなアクションを行うべきなのか.

言語習得目的の明確化

言語学習において前提となってくるのが言語習得の目的を明確にしておくことである.考えうる習得目的を挙げてみた.

  • 資格取得のため
  • 旅行などで外国の文化,生活を体験するため
  • 外国人になるという自己実現のため
  • ビジネスの商談で必要なため

当然人によって目的が異なって良い.ただ,それぞれの目的によって要求される壁の高さが変わることに留意しておいたほうが良い.

「技」の壁

技の壁は3つの壁のうち最も容易に超えられる.なぜなら,文法学習,読み書きや聞き取りは数をこなせば確実に身についていくもので,さらには現代においてオンライン上の無料教材が充実しているからである.ここではその中でおすすめのコンテンツを紹介しよう.

ハロートーク(Hello talk)

ハロートークは言語交換アプリで,語学学習者コミュニティを形成している.お互いの母国語をチャットやタイムライン上で教え合うことでwinwinな関係を作っている.訂正,翻訳,読み上げ機能が完備されているためより実用的な言語習得が可能である.会話力を鍛えるためにネイティブの方と電話することも可能だ.私はこのアプリの登場で有料のオンライン英会話教室は淘汰されていくのではないかと考えている.ハロートークは心の壁をも克服する万能ツールとして使えるので後ほどそれについて触れたいと思う.

ネットフリックス(Netflix)

ネットフリックス(あるいはHULUやYoutubeなど)でドラマや映画を見ながら語学学習をするというのはもはや定番になってきている.さらに学習向けに特化したプラグインLanguage Learning with Netflixを使えば,複数字幕を同時に流すことができたり劇中の分からない単語の意味をすぐに調べることができる.

即時翻訳や音読にも対応している

ネットフリックスの場合,無料体験期間が無いので,U-NEXTで一ヶ月無料で試しに海外ドラマや映画を見てみるのも良いだろう.

U-NEXT

動画教材が有効なのは,発音練習は自分で実際に口に出してトレーニングすることに加えて,ネイティブが発声をする際の口元の筋肉を視覚的に捉えることがさらに重要だからである.人間はミラー効果によって相手が使う筋肉を自分もその筋肉を使っているかのように錯覚し,その動かし方を記憶してしまうのだ(科学的にも実証されている).

このように,SNSや動画メディアの発達でテクノロジーが技の壁の克服を容易にしたのは確かだ.もう,机の上だけでガリガリ勉強するのは止めよう.

「体」の壁

一方でこちらは乗り越えづらくなった壁ではないだろうか.人々のコミュニケーションがオンライン化した現代において,身振り手振りを含めた五感をフルに使って言語学習する機会が減っている.現にコロナ禍も相まって学生の留学機会も失われている.自分の身体を使ってコミュニケーションをする経験が少なくなることで自信を無くしかねないだろう.(ビデオ通話では会話への没入感が足りないと感じる)

特に,ビジネス目的のような高いレベルで語学を学ぶ人は,人と対面し身振り手振りを交えてコミュニケーションをする必要性は高く,逆にこれらの経験を意識して積まなければ必ず挫折してしまうのだ.

だからこそ普段から意識して自分の身体を用いた学習が大事であり,さらにそのような学習方法は記憶の定着力が向上するということが科学的にも分かっている.ある研究によると,運動をしながら学習をすることで安静状態の学習と比べて記憶の定着率が高いことや五感特に嗅覚を使うことで長期記憶の定着率が増し,嗅覚から記憶が想起されることが報告されている.

例えば,”clean”, “wipe”という単語を覚えたい場合に,実際に「机を拭く」動作を伴いながら覚える方が記憶の定着が良い(wipe a table/clean a table).

韓国語を学びたいという人が韓国でサムギョプサルを食べながら現地人と交流するというのは,学習という点において超効率的であるというわけだ.

もう,ノートにただ書くだけのつまらない非効率な勉強はやめよう.

「心」の壁

語学学習で挫折してしまう人というのは,最終的にこのの壁が乗り切れない人が大半だ.挫折しないためにも,モチベーションを高く保つことが必要であり,その方法を知っておくべきである.

言語学習の目的が資格取得のためという人はそれ自体が大きなモチベーションとなるため,心の壁は案外高くないかもしれない.それ以外の人は語学学習で楽しさを覚えた瞬間を再現できるようにした方が良い

  • KPOPアイドルの話す韓国語の意味がわかるようになった!
  • 映画を字幕無しで見ることができて楽しかった!
  • 実際に外国人の友達(彼氏/彼女)が出来てワクワクした!
  • SNS上で外国語で発信していたら外国人に励まされた(いいねをもらった)!

などのように,自分が実際に体験した高揚感を思い出すまたはそれを目標にすることでモチベーションに変えられるはずだ.先程も述べたように近頃はいろんなメディアが充実していて,各国の映画,ドラマや洋楽などいろんなものを閲覧できるようになった。単に学習教材として利用するのではなく,それを通してあなたが心動かされたその経験を大事にしておくことで学習の原動力になるのではないだろうか.

ハロートークの話に戻ると,このアプリでは日本語を学びたい人が多く,フォロワーが少ない日本人が投稿しても沢山の「いいね」がもらえる.これが学習心にも火を付けるかどうかはあなた次第だがこの超SNS時代に勉強がどうしても続けられない初学者におすすめしたいアプリの一つである.

ハロートークでは「いいね」や貰えるコメントの数が多い

最後にモチベーション維持にはあなたと同じような学習者と会い,学習のコーチングを受けることも大事だと考える.これは技術的なティーチングのことではなく,モチベーションを上げるためのコーチングである.1語学学習者である私が無料でコーチングを行っているので,希望があれば私のSNSまで連絡してほしい.

コロナ禍の生活に困っている留学生のサポートもしています^^

無理して壁は乗り越えなくて良い

壁の乗り越え方を軸に具体的に語ってきたが,これは一般論で全体最適な話であった.人によってはメンタルコントロールが苦手な人,誠実性が無くて継続的努力が苦手な人,様々いる.その人達が語学学習をするにあたってどのような方法で壁を乗り越えるべきなのか,はたまた乗り越えなくて良いのか,またどのようなコーチングが必要なのか,そういった個別最適化についてはさらなる議論が必要だと考えている.

自分のパフォーマンスが最大限発揮できる勉強法はなんだろう,自分らしく語学を扱うにはどうしたら良いのだろう,それらは深く自己分析をし,自分への認知を深めることで初めて気づくことができると私は考える.今後は心理学的観点からも語学学習の在り方や学習法の多様性について考察し,まとめたいと思う.

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この記事を書いた人

正田 孝平

正田 孝平

学生ブロガー兼エンジニア(東工大院21卒)
AI,IoT,web最新技術の具体的活用術、キャッシュレス決済と資産運用の最新トレンドや語学の体系的学習法について発信。在学中は人力飛行機の製作、webアプリ開発に積極的に携わった。
【趣味】
球技、水泳、マラソン、スノーボード